グッジョブコラム 2023.08.02

派遣社員のタイムシートの書き方と保管期間|押さえておきたい注意点も確認

時給制で働くことが多い派遣社員にとって、働いた時間分をしっかりと給与にしてもらわなければなりません。また派遣先企業の立場では、派遣社員の実労働時間を正確に把握し、給与を査定する必要があります。

派遣社員が安心して働き、派遣先企業が納得して給与を支払えるようタイムシートが使われています。またタイムシートは給与計算以外にも、重要な役割があります。

ここでは人材派遣におけるタイムシートの役割や正しい書き方、注意点などをお伝えします。

1.派遣社員のタイムシートとは

タイムシートは社員の給与支払いのため、実労働時間・休憩時間・出欠などを記録するものです。
派遣社員を受け入れる場合、派遣先管理台帳に添える重要書類の一つでもあります。

1-1.タイムシートの承認までの流れ

派遣社員が給与を受け取るためには、派遣先企業からタイムシートを承認してもらわなければなりません。派遣先企業が承認したタイムシートをもとに、派遣元企業は派遣社員の給与を計算します。
タイムシートの承認までの基本的な流れをまとめました。

  • 派遣社員は、派遣先企業で就労した日・出退勤時間をタイムシートに記録する
  • 派遣元企業は、給与支払い前(締め日)に、派遣先企業からタイムシートを回収・確認する
  • 派遣先企業は、派遣元企業が集計した労働時間などが正しいかを確認する
  • 派遣先企業がタイムシートを承認し、派遣元企業から派遣社員に給与が支払われる

これまで打刻式のタイムカードを使用していた、またはタイムシートのデータをメールなどでやりとりしていた企業もあるでしょう。勤怠管理システムを利用すれば、派遣元企業・派遣先企業間における「承認」までのプロセスが短縮でき、業務を効率化できます。

1-2.タイムシートは派遣先管理台帳の記載事項

派遣社員を受け入れる派遣先企業は、派遣社員別に「派遣先管理台帳」の作成義務があります。
派遣先管理台帳の記載必須事項は以下の通りです。

  • 派遣社員の氏名
  • 就業を開始する日
  • 就業開始時間・終業時間・休憩時間
  • 業務内容
  • 派遣先企業の名称

また派遣社員から苦情などの申し立てがあった場合には、苦情を受理した日・内容・状況や対応などを記載しなければなりません。

派遣先管理台帳の作成方法や、派遣社員からの苦情にどう対処するかなどについては、参考となる記事がありますので、こちらもご覧ください。

20224月施行の「パワハラ防止法」中小企業の義務と罰則 
派遣先管理台帳の作成・保管・通知方法を解説!フォーマットもご紹介 

1-3.タイムシートの保存期間と保管の義務

タイムシートは労働基準法により、保管の義務が定められています。
派遣先管理台帳など、勤怠管理に関する書類と共に5年間は保管するものと覚えておくと良いでしょう。

2.タイムシートの書き方

タイムシートを記入する際の注意点をまとめます。

2-1.始業時間・休憩時間・終業時間

タイムシートには、勤務日の始業時間・終業時間・休憩時間を記載します。
もし記録した日時などに訂正がある場合は当日処理が望ましいですが、訂正に上長の承認を求められることがあるでしょう。

2-2.残業(時間外労働)が発生したとき

前提として派遣社員の労働時間は、派遣元企業と派遣社員間で取り決められています(36協定)。
労働条件通知書などに「時間外労働の可能性がある」と明記されている場合、派遣社員に時間外労働を依頼することはできますが、タイムシートの記載方法は派遣元企業によります。
なお労働条件通知書などに時間外労働の条件に関する記載がなければ、時間外労働をさせた派遣先企業は労働基準法違反となりますので注意してください。

当サイトでは、派遣社員の残業や労働時間に関わる記事も掲載しています。こちらもあわせてご覧ください。

働き方改革による「残業管理」の影響は?残業時間を適切に管理するために 
労働時間となる・ならない時間|移動・休憩は勤務時間に含まれるのか 

2-3.欠勤・有給休暇の書き方

欠勤・遅刻・早退・有給休暇などが生じた時は、在籍する派遣元企業によりタイムシートの書き方が異なります。タイムカードや出勤簿などに欠勤や有給と直接記入する場合や、有給休暇の申請を提出してタイムシートには記入しない場合もあるでしょう。

各種手続き方法については、あらかじめ派遣元企業に確認するようにしてください。

3.タイムシートを書く時の注意点

労働者の勤怠記録には、紙に打刻するタイプのタイムカードのほか、システムを利用したタイムシートなどさまざまな形式がありますが、派遣社員の給与計算には基本的にタイムシートが使われています。

タイムシートを使用するときは、以下のような点にも注意しなければなりません。

3-1.タイムシートを提出し忘れた場合

タイムシートは、毎月の給与支払い日に合わせ提出期限が設けられています。タイムシートの提出締め切りに遅れると、給与の支払いに間に合わない場合があります。タイムシートを期限内に提出できない場合には、派遣元企業に連絡しましょう。

3-2.「タイムシートを改ざん」したらどうなるか

残念ながら、タイムシートが改ざんされることもあります。
ここではいくつかの事例を紹介します。

  • 社員:実労働時間より多く働いたと嘘の申告をする、架空の残業申請を行うなどして給与を詐取する
  • 企業:サービス残業をさせる、残業時間の記録を抹消する、労働時間を少なく記録するなどして賃金不払いを行う

タイムシート改ざんの背景には、社員・企業それぞれの「少しでも多く給与をもらいたい」「なるべく賃金を払いたくない」という思惑があります。
タイムシートの改ざんで悪質と判断されたときは、「労働基準法違反」「詐欺罪」「私文書偽造罪」などの罪に問われる可能性があります。

働き方改革による「残業管理」の影響は?残業時間を適切に管理するために 
派遣の禁止業務とは?禁止の理由と例外や罰則を解説! 

4.複雑になりがちなタイムシートはシステムでの管理がオススメ!

タイムシートは出退勤の記録としてだけではなく、勤怠管理としても重要ですが、入退時間・遅刻早退・休憩時間・休日・有給休暇など、情報の管理が複雑になりがちです。さらに派遣社員の場合は、勤怠管理や関連書類の保管の量も膨大で、その管理は容易ではありません。弊社では、派遣先企業様の課題の解決策として、派遣社員のタイムシートの管理に適したサービスを提供しています。

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