グッジョブコラム 2023.04.19

派遣の禁止業務とは? 禁止の理由と例外や罰則を解説!

派遣の禁止業務とは? 禁止の理由と例外や罰則を解説!

多くの企業で人手不足が叫ばれる中、人材派遣業は幅広いシーンで活用されています。
派遣元企業には多様な業種・雇用形態で、職務経験の豊富な人材登録があるため、派遣先企業は自社の要望に適した派遣社員を見つけられるでしょう。
しかし実は、全ての業種で人材派遣を利用できるわけではありません。「派遣禁止業務」と呼ばれる、人材派遣を禁止する職種があるためです。

本記事では、派遣先企業様の派遣社員採用に役立つ、派遣業で禁止されている職種とその罰則についてお話しします。

派遣には禁止されている業務がある

人材派遣には法で定められた禁止業務や契約規定があります。

派遣が禁止されている業務を「適用除外業務」といい、違反した場合には罰則があります。

派遣禁止業務とは

労働者派遣法における派遣禁止業務とは、人材派遣を禁止する特定の業種(業務)を指します。

派遣に禁止業務がある理由

派遣に禁止業務がある理由はいくつかありますが、例えば業務内容について「危険性が高い」「専門的な知識や技術が必要」「法律の専門分野」といったことが挙げられます。

次に紹介する業種は、労働者派遣法で「労働者派遣事業をおこなえない」と定められているため、注意してください。

派遣禁止業務の種類

派遣禁止業務(適用除外業務)には、建設業務・港湾運送業務・警備業務・病院や医療関連施設における医療関連業務・ 士業(弁護士・社会保険労務士など)が該当します。

特例として派遣労働が可能な場合もありますが、ここでは主に禁止されている業務を記載します。

建設業務

建設業務は、建築や工事現場の業務のほぼ全てが該当します。

他の職種に比べ現場での危険度が高いこと、また建設業特有の下請け制度による雇用関係の不透明さから、公正な賃金が支払えないなどのケースがあり派遣禁止業務となっています。

「建設労働者の雇用の改善等に関する法律」の禁止事項は次の通りです。

禁止業務に該当する例
・工事現場:家屋の解体・資材の運搬・組み立て作業
・建築現場:組み立て・資材の加工・塗装
・配管・配電工事:機器類の設置や撤去

なお派遣が認められている、建設現場での「施工管理業務・事務業務」などは特例業務とされています。

林業の造園作業においては、一部対象となる項目が違法とみなされる場合もあります。

港湾運送業務

港湾運送業務では、安定的な人材確保が困難であるとされています。

そのため労働力の需要と供給の調整で「港湾労働者派遣制度」を導入し、人材派遣を禁止しています。

禁止業務に該当する例
・船舶上:貨物の荷造り・移動・荷ほどき・荷物の固定
・船舶や湾岸:貨物の積み下ろし・積み下ろし場所の清掃
・船舶で運ばれてきた貨物:運送・積載・荷下ろし

補足ですが、湾岸の倉庫内の清掃や片付けなども、禁止業務にあたります。

警備業務

警備業務は「警備法」が定められています。

店舗・住宅・催事場など、盗難や事故防止のための警備業務、また現金輸送など輸送の警備は禁止業務に該当します。

催事場などでの手荷物検査・不審者への声かけ・追跡・混雑する場所での人の整理・誘導なども禁止されています。

禁止業務に該当する例
・イベント会場や店舗前での手荷物検査
・イベント会場内の巡回や監視
・不審者への声かけ・追跡

販売や受付担当の派遣社員が、列を整理したり、不審者に声をかけたりすることは、禁止されている警備行為とみなされる場合もありますので注意してください。

病院や医療関連施設における医療関連業務

病院などの医療現場では、医師・看護師・薬剤師・放射線技師などが、連携して病人の治療にあたります。

そのため、チームでの治療に支障をきたさないよう、病院や医療関連施設における医療関連業務は派遣禁止業務とされています。

禁止業務に該当する例
・医師・看護師・放射線技師・栄養士・臨床検査技師・作業療法士・救命救急士など

※社会福祉施設や診療所の設置場所により、医療関連業務の禁止にならない場合もあります。

 士業(弁護士・社会保険労務士など)

「士業」とされる資格を個人で有する業種において、弁護士・税理士・弁理士・行政書士・社会保険労務士・公認会計士・家屋調査士などは、派遣禁止業務となります。

これは案件の業務内容や規模で変わることはありません。

その他

上記以外にも派遣業務で禁止されている、次の項目には注意が必要です。

・二重派遣の禁止
・面接・書類選考(特定行為)禁止
・離職労働者の1年以内受け入れ禁止
・3年を超えた派遣の受け入れ禁止
・日雇派遣禁止:改正労働者派遣法の日雇いや30日以内の短期雇用は原則禁止

なお日雇派遣禁止には、例外として日雇派遣が可能となる労働者・業務があります。

・日雇派遣が可能な労働者:60歳以上の人・雇用保険を適用しない学生・副業の人
・日雇派遣が可能な業務:通訳・翻訳・受付・案内・ソフトウェア開発・デモンストレーションなど

派遣禁止業務の例外や罰則

先に述べた派遣禁止業務ですが、業務内容により例外として扱われる場合があります。

派遣禁止業務の例外

派遣禁止業務の中で、派遣が許可される例外をまとめました。

・建設業務:現場以外での事務業務・施工管理業務・CADオペレーター・設計など
・港湾運送業務:港湾内の事務所での事務業務・事務所と作業現場間の連絡業務・機械の     メンテナンスなど
・医療関連業務:紹介予定派遣を前提に直接雇用が決まっている場合や産休・育児休暇・     介護休業者の代替業務、都道府県が地域医療の確保のために認めた病院などの勤務
・士業:行政書士・社会保険労務士・公認会計士・税理士・弁護士における、一部の業務内容

派遣禁止業務の罰則

派遣禁止業務に人材を派遣した場合、派遣元企業は「1年以下の懲役または100万円以下の罰金」「業務改善命令」「業務停止命令」など、行政処分を受けることがあります。

行政処分の内容は、業務違反を「是正勧告」し、勧告に従わない場合は「企業名の公表・労働契約申し込みみなし制度の適用」とするなど、罰金と罰則が設けられています。

誤って派遣禁止業務に従事させない! 情報の管理は適切に

派遣社員の雇用には、即戦力の投入、人手不足の解消など、人員確保の面で多くのメリットがあります。

人材派遣サービスを活用するためにも、派遣元企業・派遣先企業・派遣社員は三者ともに派遣禁止業務についてよく理解する必要があるでしょう。
なお、労働者派遣法はこれまでに何度も改正を重ねていますが、改正のたび都度対応する労力は計り知れません。

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