グッジョブコラム 2023.11.22

派遣社員のトラブル|派遣元企業・派遣先企業どちらが対応する?

一般的に社員が問題を起こした場合、トラブルに対応し責任を負うのは事業主です。
人材派遣でトラブルが生じたときは、その内容により派遣元企業・派遣先企業のどちらが責任を負うかは異なります。
ここでは、派遣社員のトラブルにおける派遣元企業・派遣先企業の対応や責任についてまとめました。

派遣元企業・派遣先企業での責任分担

人材派遣では、派遣元企業・派遣先企業の間で派遣社員に対する責任が分担されています。
以降、実務上と各法律の責任分担について解説します。

実務上の責任分担

派遣元企業と派遣先企業の派遣社員に関する「実務上の責任分担」を表にしました。
どちらの企業がどの事柄に対して責任を持つのか確かめる参考にしてください。

労働基準法

労働基準法に関した責任は、原則として派遣元企業にありますが、次の通り派遣先企業にも責任項目があります。

  • 派遣元企業:労働条件の明示、派遣料金の明示、賃金の支払いなど
  • 派遣先企業:公民権行使の保証、休暇・休日の規定、労働時間制の原則など

労働安全衛生法

労働安全衛生法に関した責任は、原則として派遣元企業にあります。
しかし、派遣社員が実際に就労する派遣先企業は、安全確保や衛生管理の責任を負います。

  • 派遣元企業:派遣社員の健康管理など
  • 派遣先企業:就労先での安全確保、安全管理、健康障害の防止など

男女雇用機会均等法

男女雇用機会均等法に対する責任は、派遣元企業が負うこととなっていますが、男女差別を是正するためには、派遣元企業と派遣先企業の両者が差別をなくすよう努めなければなりません。

・派遣元企業:男女差別を禁止する規定
・派遣先企業:セクシュアルハラスメントに関する雇用管理、妊娠や出産を理由とした不利益な扱いの禁止など

育児・介護休業法

妊娠や出産・育児・介護などの休業取得における派遣社員の不利益な扱いは、派遣元企業・派遣先企業に関わらず禁止されています。
派遣社員との関係を害する行為は、派遣元企業・派遣先企業の両企業に防止措置義務が課せられています。

派遣社員の勤務時間管理

労働基準法による法定労働時間は、週40時間・1日あたり8時間までです。

時間外労働と「36協定」

法定労働時間を超えて勤務させる場合(時間外労働)には、労使間で「36協定」を結ぶ必要があります。
36協定の締結後は労働基準局に届け出なければなりませんが、もし届け出ず派遣社員に時間外労働をさせたときは、派遣先企業に罰則が科せられる可能性があります。
なお、時間外労働には上限規制が設けられていますので、こちらの記事も参考にしてください。

「36協定」について確認!派遣労働者の残業時間に関わる法規定

派遣元・派遣先の責任者について

派遣元企業・派遣先企業では、派遣社員の安全衛生を確保するために、それぞれ責任者を立てます。
ただし派遣元責任者の選任には要件があるため、注意してください。

◆参考:【派遣先管理台帳の記載事項】派遣先企業がすべき派遣社員の苦情対応を解説 | 派遣管理システム グッジョブ

派遣元責任者の概要・要件

派遣元企業は次の「派遣元責任者の要件」をもとに派遣元責任者を選任し、派遣社員と派遣先企業の間で生じた問題を迅速に処理・解決します。
派遣元責任者の要件

  • 3年以上の労務管理経験が必要
  • 3年以内に派遣元責任者講習を受講している

派遣社員との間で起こりうるトラブルや事例

派遣社員との間で発生するトラブルの事例と、責任の所在についてまとめました。

派遣労働者が派遣先企業に損害を与えた場合

派遣社員が派遣先企業に損害を与えた場合について、事例を紹介します。
いずれのケースでも、責任の所在は「派遣先企業」にあります。

ケース1:売上金の横領
始めに紹介する事例は、派遣社員が派遣先企業から売上金を横領したというものです。
その後、派遣社員と連絡が取れず、派遣先企業は派遣元企業へ損害賠償を請求しています。

ケース2:ミスによる損失
派遣社員のミスにより派遣先企業に損失を与えてしまった場合、故意ではなかったとしても、派遣元企業に損害が生じます。
過去同様のケースで、派遣先企業が派遣元企業への派遣料金支払いを拒否した例もあります。

ケース3:データの改ざん・情報漏えい
派遣社員が故意に派遣先企業の書類を偽造した、またデータ改ざん・情報漏えいなどをしたケースもあります。
これらに関しても、派遣先企業は派遣元企業に損害賠償を請求しています。

派遣先企業から派遣社員の交代を要求された場合

派遣先企業から派遣社員の交代を要求される場合があります。
実態調査の結果によっては、派遣先企業と協議の上、代替の派遣社員を手配します。

交代要求ケース1:派遣社員の仕事が遅い・できない
派遣社員の業務遂行能力が、派遣先企業の要求に及ばないと判断された場合

交代要求ケース2:勤務態度に問題がある
派遣社員の無断欠勤・遅刻・早退が多い、また勤務態度に問題がある場合

派遣先企業でパワーハラスメントが生じた場合

派遣社員からパワーハラスメントを受けたと報告があれば、派遣元企業から派遣先企業へ通知し事実関係を調査します。
パワーハラスメントが事実だったときは、加害者へ注意や指導のほか、必要に応じて配置換えなどの措置をします。
なお各ハラスメントはデリケートな問題なので、派遣社員に対しての配慮を心掛けてください。

2022年4月施行の「パワハラ防止法」中小企業の義務と罰則 | 派遣管理システム グッジョブ

契約書を作成し派遣社員とのトラブルを回避する

人材派遣のトラブルにはさまざまなケースがあり、特に繁忙期などは契約以外の業務・サービス残業・休みの申請などで問題が起きがちです。
就業上のトラブルを避けるためにも、派遣元企業・派遣先企業で十分に話し合う必要があります。
あわせて派遣先企業では、あらかじめしっかりと契約書を確認し、就労現場にも周知しなければなりません。
また労働者派遣法では派遣社員とのトラブルが生じた場合、速やかに対処し、経緯や結果を派遣先台帳に記載するよう義務付けています。

弊社の人材派遣管理システム「グッジョブ」では、派遣社員の契約管理のほか、派遣社員別にトラブルや苦情情報を記載する機能を用意しております。
グッジョブには検索機能もあり、各省庁へ提出する書類も素早く正確に呼び出せます。
詳しくは人材派遣管理システム「グッジョブ」のページをご覧いただき、システムの導入をご検討ください。

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