グッジョブコラム 2024.01.10

通勤手当の計算方法|課税・非課税になる通勤手当のルールとは

長引く円安で、物価や燃料費の値上げが続き、支出や経費を見直している企業も多いでしょう。
しかし事業を安定して継続させるために、あえて削減しない方が良い出費もあります。
今回取り挙げるのは、福利厚生の一つで、支給に法的義務のない「通勤手当」。
ここでは通勤手当の必要性、通勤手当の計算方法のほか、課税・非課税になるルールを説明します。

通勤手当とは

通勤手当とは「労働者が自宅から職場に通勤するための費用」を、給与と併せて支払う賃金のこと。混同されがちですが、交通費とは異なります。

通勤手当と交通費との違い

交通費とは、労働者が業務で移動・出張する際に生じる費用のこと。一般的に旅費交通費の扱いとなり、給与所得にはなりません。

通勤手当が認められる移動手段

通勤手当の対象は、マイカー通勤・公共交通機関の利用・自転車や徒歩での移動がほとんどです。
ただし通勤手当の基準や詳細は、企業ごとに定めて良いもの。
労働者とのトラブル回避のためにも、自社で通勤手当の支給対象や支給金額に上限を設けるかどうかなど、ルールをまとめておくといいでしょう。

マイカー(バイク)通勤
マイカー通勤では、労働者が通勤に使用したガソリン代を通勤手当とします。
ただし、マイカーはプライベートで使うこともあるため、消費したガソリン代ではなく距離で通勤手当を計算する企業が主流です。

公共交通機関(バス・電車)の利用
公共交通機関を利用して通勤する場合、一般的に通勤定期券に相当する通勤手当が支給されます。

自転車や徒歩での通勤
自転車や徒歩での通勤で通勤手当を支給するかどうかは、企業の就業規則によります。
例えば「片道の通勤距離が○○km以上なら対象」など、支給のルールを決める企業もあります。

通勤手当の計算方法

通勤手当を支給する場合の一般的な計算方法をまとめました。
次の【1カ月の平均勤務日数】をもとに、通勤手当を算出できます。

■1カ月の平均勤務日数
勤務日数=(365日-所定休日の日数)÷12カ月

補足:公共交通機関の利用

現在、多くの公共交通機関ではPASMOやSuicaなどのICカードが利用されています。
運賃支払いが多様化し複雑になったことから、企業によっては「公共交通機関を利用する場合の通勤手当は、定期券の金額に準ずる」として一律化するケースもあります。

通勤手当と課税について

通勤手当は、非課税限度額を超えると課税の対象になります。
ただし、自転車・徒歩での通勤手当支給額が非課税限度額を超えるケースは考えにくいもの。ここではマイカー通勤による非課税限度額を紹介します。
なお、公共交通機関を利用した通勤手当の非課税限度額は、1カ月15万円です。


※引用:国税庁|通勤手当の非課税限度額の引き上げについて

社会保険と通勤手当

通勤手当の金額は、所得税や社会保険料に関係します。
詳しくはこちらの記事も参考にしてください。

派遣社員の保険加入|社会保険の条件や義務について解説! | 派遣管理システム グッジョブ

通勤手当支給までの流れ・注意点

通勤手当支給までの流れと注意点を説明します。

通勤手当の支給までの流れ

通勤手当の申請から支給までの手順は、次の通りです。

1. 対象労働者が通勤経路を申請
2. 申請内容の確認
3. 通勤手当の承認
4. 労働者へ通勤手当の支給(給料日など)

通勤手当の支給の注意点

通勤手当の金額は、雇用形態による区別はありませんが、勤務日数で差が生じます。
またトラブルを発生させないためにも、通勤経路や利用駅間などの料金は、あらかじめ確認しておきましょう。

通勤手当の不正受給に注意

通勤手当の支給で不正受給と判断されるケースがあるため、注意してください。

通勤経路の変更による申請漏れ

バスの廃線や引っ越しなどで、通勤経路が変わったにも関わらず、通勤経路の変更申請をしないでいると申請漏れとなります。

申請方法以外で通勤

マイカー利用の通勤手当を支給されていながらバスで通勤するなど、申請していない方法で通勤した場合も、通勤手当の不正受給と見なされることがあります。

システム上で適切に通勤手当を管理! 従業員満足度の向上を

どの企業でも、多忙な中で労働者別に契約内容を確認し、人材を管理しているはずです。
通勤手当一つとっても、非課税限度額を確認しながら所得税や社会保険料などの計算をしなければならず、人材管理部門の業務コストは膨大でしょう。
しかも最近の社会情勢は、物価上昇に歯止めが効かない状況。
公共交通機関の運賃やガソリンの値上げ、税率の改正など、何か変更点があれば企業は都度対応しなければなりません。
給与や通勤手当は、労働者のモチベーションに直結する大切なお金。万が一にも計算ミスが起きないような仕組みづくりが必要です。

弊社の派遣管理システム「グッジョブ」には、勤怠管理・各種書類作成などの基本的な機能のほか、法改正があった場合にも素早い対応が可能です。
ぜひ一度、弊社のサイトからグッジョブの機能をお確かめいただき、人材管理のシステム化をご検討ください。
システム化で労働者に気持ちの余裕ができれば、仕事に対する意欲が上がり従業員満足度も向上するでしょう。

機能説明 | 派遣管理システム グッジョブ
サービス内容・料金 | 派遣管理システム グッジョブ