有期雇用から無期雇用へ|派遣契約の無期転換にメリットは?正社員との違いは?
日本経済を支えている各企業では、労働人口が減少し、深刻な人材不足が生じています。弊社でも派遣先企業様から、もっと多くの派遣社員を受け入れたいとご相談をいただくことがございます。
今人材不足の解消として、改めて注目されている派遣社員の起用ですが、派遣社員と無期雇用契約を結ぶケースがあることをご存じでしょうか。
今回は、派遣社員の雇用形態で重要視されている「有期雇用」「無期雇用」の違いや特徴についてお伝えします。
目次
無期雇用とは
無期雇用派遣とは、派遣社員と派遣元企業が「雇用期間を設けない」契約を結ぶことを指します。
派遣の種類は、紹介型・登録型・常用型の3種類に分けられ、常用型派遣を「無期雇用派遣」、登録型派遣を「有期雇用派遣」と言います。
2013年に改正労働契約法で「有期雇用契約の無期転換ルール」(通称:無期雇用派遣)が施行されました。これにより本人の希望があれば、派遣社員は有期雇用派遣から無期雇用派遣に転換できるようになったのです。
派遣社員から派遣元企業に対して無期雇用へ変更の申し出があった場合、派遣元企業には条件を満たした派遣社員を無期雇用派遣に転換する義務が生じます。
有期契約と無期契約の違い
前に述べたように有期契約と無期契約の違いは、雇用契約期間が「定められているか」で決まります。
有期雇用・無期雇用・正社員の契約についてまとめてみました。
■有期雇用・無期雇用・正社員|契約の違い
有期雇用と無期雇用の違いは雇用期間に制限があるか、また収入の途切れる心配が減るかといった点にあります。
昇給・賞与・福利厚生などについては、企業により違いはありますが、有期雇用の場合と大きく変わりません。
弊社では、派遣社員に対する待遇や保険加入についても記事を公開しておりますので、こちらも参考にしてみてください。
◆【2020年4月】派遣先がすべき待遇情報の提供【労働者派遣法改正】 | 派遣管理システム グッジョブ
◆派遣法の3年ルールをわかりやすく解説|派遣社員が延長して働くには
無期雇用のメリット・デメリット
ここでは無期雇用という契約について、派遣先企業と派遣社員のそれぞれに、どのようなメリット・デメリットがあるかをお伝えします。
企業における無期雇用のメリット
派遣先企業が無期雇用の派遣社員を受け入れるメリットを挙げてみました。
- 雇用期間の制限がないので、派遣社員に長期間就業してもらえる
- 雇用期間満了の退職がなく、業務上の引継ぎや後任の募集などの業務が軽減される
- 優秀な人材の確保や派遣社員の定着に期待が持てる
有期雇用派遣から正規雇用になるケースでは、企業への助成金がある
派遣先企業が、有期雇用の派遣社員を正規雇用の労働者として直接雇用した場合、キャリアアップ助成金の正社員化コースが適用されます。
※直接雇用となった場合でも、正社員と準社員とでは助成金が異なります。
中小企業向け正社員コースの例
派遣先企業が派遣社員を直接雇用すると、57万円の助成金が支給されます。
直接雇用の中でも、雇用形態を無期雇用から正規雇用にした場合は、さらに28万5千円が加算され、最大で85万5千円の助成金を受け取ることができます。
企業における無期雇用のデメリット
企業にとって、無期雇用の派遣社員を受け入れる際のデメリットは次の通りです。
- 待機期間の賃金保証や交通費の支給などにより、有期雇用時の時給に比べて派遣料金が割高になる
- 無期雇用の派遣社員が退職する場合は、派遣元企業と連携を取る必要がある
派遣社員にとっての無期雇用のメリット
派遣社員が無期雇用契約をした場合のメリットには、以下のような点が挙げられます。
- 雇用期間に制限がないため、雇用契約の満了(失業や求職)、収入減少などの不安なく働ける
- 派遣先が決まっていない場合でも、待機期間の給料が保証される
- 基本的に月給制となるため収入が安定し、交通費の別途支給や昇給も見込まれる
- 長期的な就業が可能と見なされ、取り組める業務内容の幅が広がる
派遣社員にとっての無期雇用のデメリット
派遣社員にとっての無期雇用はメリットだけではありません。
あらかじめ以下のようなデメリットについても理解しておくと良いでしょう。
- 無期雇用として働く場合は、派遣元企業で面接や採用試験を受けること
- 派遣社員は派遣先企業を選べない(派遣元企業が指定する)ため、有期雇用派遣よりも自由度が低い
- 自分の都合で派遣先企業を退社・変更することは難しい(派遣元企業と派遣先企業との協議が必要)
派遣契約の無期転換で派遣先企業が注意すべきこと
無期雇用の派遣社員を受け入れる場合に、派遣先企業で注意すべき点を紹介します。
- 派遣先企業が正社員を募集することがあれば、派遣社員にも求人の情報を知らせなければならない
- 建設や警備など、派遣業で禁止されている業務に派遣社員を従事させることはできない
- 無許可の派遣元企業から派遣社員を受け入れた場合は罰則がある
派遣社員を受け入れる際の注意に関しては参考記事がありますので、こちらもご覧ください。
◆派遣の禁止業務とは? 禁止の理由と例外や罰則を解説! | 派遣管理システム グッジョブ
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派遣元企業には、さまざまなスキルを持った人材が在籍しています。
派遣先企業様におかれましては、キャリアアップを重ねた優秀なスタッフや、社員教育などのコストをかけず即戦力になるスタッフなど、幅広く派遣社員を受け入れたいとお考えではないでしょうか。
しかし、派遣社員の受け入れ人数が増えるほど雇用形態が複雑化し、個別に労働契約を管理することが困難になります。
このようなシーンで人材派遣に対応するシステムを用いれば、より効率的な人材管理が可能となるでしょう。
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