派遣社員の受け入れ準備|事前確認しておきたいポイントと注意点
労働者不足への手助けとして心強い人材派遣。派遣社員が企業・部署になじみ、安心して勤続できるよう、派遣先企業は十分な準備をしておきたいものです。
しかし人材派遣を初めて利用する企業は、派遣社員をどう受け入れたらいいかわからない、事前に基本的な確認事項を把握しておきたいと思うことでしょう。
今回は、人材派遣の利用時にあらかじめ準備すべきことや、受け入れ当日の流れをお伝えします。
目次
派遣社員の受け入れについて|必要な事前準備
派遣先企業は、派遣社員が就業を開始するまでに受け入れ準備をします。
具体的には、以下のように派遣元企業と各種の契約書を作成するなど、契約・通知を行います。
◆派遣法の3年ルールをわかりやすく解説|派遣社員が延長して働くには
派遣社員に任せる業務の選出
派遣社員へ引き継ぎたい業務や、任せたい業務を選出します。
引き継ぎ業務など時間が限られる場合は、具体的に計画を立てましょう。
また、任せる業務内容や勤務時間が契約範囲内であるかも確認してください。
社内通知と必要書類の作成
派遣社員を配置する部署へ、派遣社員に任せたい業務内容や勤務時間などを伝えます。
また業務に引き継ぎがある場合は、マニュアルなどをそろえておきましょう。
指揮命令を明確に
派遣先企業では、派遣先責任者・指揮命令者・苦情処理担当者を選出します。
指揮命令者の氏名・所属部署名・役職は、労働者派遣法に定められる就業条件明示書・労働者派遣個別契約書などに記載されます。
また、指揮命令者が不在時でも、指揮命令ができるよう代行者を決めておくと業務が滞らずスムーズに進みます。
選出された各担当者は、人材派遣の制度や役割を把握し、派遣社員の受け入れ準備をしましょう。
業務に必要な機材や備品の準備
派遣社員が担当する業務に必要な機材や備品、身分証、パソコン、デスク、制服、事務用品などの準備をします。
また、業務でパソコンを使用する際のネットワークの権限・アカウント・メールアドレスの設定も必要です。
派遣社員の受け入れ初日にすること
派遣社員の受け入れ初日は、以下のように対応するといいでしょう。
①派遣社員を同僚や関係者に紹介する
②社内フロアや設備の案内・説明
③社内ルールの共有・説明
④業務内容の説明
① 派遣社員を同僚や関係者に紹介する
派遣社員を派遣先責任者・指揮命令者・苦情処理担当者に紹介します。
また直接仕事する現場の責任者や同僚には、派遣社員から自己紹介してもらうといいでしょう。
② 社内フロアや設備の案内
派遣社員へ社内フロアを案内し、トイレ・休憩室・非常口・非常階段なども確認してもらいます。
また派遣社員へも、正社員同様の福利厚生制度を導入し、社内の設備を利用できるよう、
更衣室や社内食堂など、福利厚生制度の詳細を説明します。
■派遣社員受け入れ時に社内フロアや福利厚生制度について案内したいこと
・休憩室・トイレ・更衣室・社内食堂・給湯室など
・昼食を購入できる売店や外部の弁当注文について
③ 業務内容の説明
派遣社員に任せる業務内容を説明します。
契約範囲外の業務を任せようとしていないか、改めて契約内容を確認しておくといいでしょう。
④ 社内ルールの共有・説明
派遣社員へ、社内ルールを説明・共有しましょう。
業務上、機密保持についての説明や契約書の提出が必要となれば、その都度派遣社員・派遣元企業へ相談・説明してください。
■社内ルールの共有・説明など
・出退勤時のルール(掃除やミーティングなど)
・昼休みや休憩の取り方
・業務の指示
・欠勤や早退・遅刻などについて
・パソコン・プリンター・電話の引き継ぎ方・社内メールの使い方
・社内や関係企業や顧客の機密情報の扱い方
派遣社員の受け入れで注意する点
派遣社員の受け入れについて、注意点を確認しておきましょう。
業務上の指示命令について
派遣社員は、派遣先企業の指示命令担当者から指示を受け、業務を遂行します。
派遣先企業の指示命令担当者は、「いつまでに・何を・どのようにするか」など、指示を明確にしてください。
また、知らずに違法行為とならないよう、派遣社員の業務内容や派遣禁止事項を把握しておきましょう。
派遣期間制限
派遣社員には、派遣期間制限が設けられています。
派遣期間制限には、事業所単位と個人単位の2種類があり、いずれも派遣の受け入れ期間は3年が限度となります。
事業所単位・個人単位どちらの場合でも、条件を満たせば派遣期間は延長できますが、同じ派遣社員を今までと同じ課で働かせることはできません。
◆派遣の抵触日とは?派遣先企業が知るべき抵触日の通知義務について解説! | 派遣管理システム グッジョブ
◆抵触日通知書の内容・書き方を解説! | 派遣管理システム グッジョブ
派遣禁止とされる業務
派遣社員は、派遣元企業と派遣先企業の契約で決められた業務内容や時間以外の勤務は禁止されています。
また労働者派遣法で禁じられている、次の職業には従事できません。
・港湾運送事業・建設業務・警備業務・医療関係業務・士業
◆派遣の禁止業務とは? 禁止の理由と例外や罰則を解説! | 派遣管理システム グッジョブ
派遣社員の受け入れは業務フローを見直すチャンス
人材派遣を初めて利用する企業は、派遣人材を管理するコストが増えてしまうのではと不安があるでしょう。
確かに、労働者派遣法に沿って人材管理を行うと、必要書類や管理事項などが多岐にわたります。
ただし、これらの負担は人材管理システムを導入することで、問題なく緩和できるのです。
派遣社員を受け入れれば、直接雇用の社員がコア業務に専念でき、属人化しがちな業務フローを改善できるでしょう。
人材派遣の利用は、社内全体の業務フローを見直し、新たな事業に取り組む時間を作る最大のチャンスです。
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