グッジョブコラム 2023.10.04

【働き方改革】時間外労働(残業)の上限規制|法内残業・法定時間外残業の違い

会社に残って働くことを残業、早く出勤することを早出と言いますが、こういった就業時間外の労働をまとめて「時間外労働/残業」と呼びます。(以降、時間外労働と表現)
ここでは労働時間の定義と、時間外労働の種類・違いを説明した上で、労働者をどのくらい働かせて良いかを解説します。

労働時間の定義|所定労働時間と法定労働時間

労働時間には「所定労働時間」と「法定労働時間」があります。
・所定労働時間:企業が定めた労働時間
・法定労働時間:労働基準法で定められている労働時間

労働基準法では、法定労働時間を「1日8時間・週40時間」までと定めています。
所定労働時間もしくは法定労働時間を超えると「時間外労働」に該当するわけですが、企業の定める所定労働時間が法定労働時間の「1日8時間・週40時間」を超えることはありません。

残業時間・時間外労働の違い

残業時間は、所定労働時間・法定労働時間を超えて働く時間を指します。
時間外労働は残業時間に加え、休日労働(出勤)や早出も含みます。
 

働き方改革による「残業管理」の影響は?残業時間(36協定)を適切に管理するために | 派遣管理システム グッジョブ 

時間外労働の種類|法内残業・法定時間外残業

時間外労働には「法内残業」と「法定時間外残業」の2種類があり、どちらも法定労働時間の規定がポイントとなります。

法内残業と法定時間外残業の違いは以下の通りです。

法内残業(法定内残業)

法定残業は法定時間内残業などとも呼ばれ、企業が定めた所定労働時間は超えるものの、法定労働時間範囲内の残業を指します。
例えば、所定労働時間7時間の労働者が、1時間勤務を延長し8時間労働をした場合は、所定労働時間は超えるものの法定労働時間内となるため、法内残業となるわけです。
このようなケースでは、残業手当の支給はありません。

法定時間外残業(法定外残業)

法定時間外残業とは、法定労働時間を超えた労働時間を指し、割増賃金の対象として企業に支払い義務が生じるものです。
新しい法制度では企業の規模に関わらず、月60時間の労働時間を超えた場合、賃金割増率を50%と統一しています。

【働き方改革の影響】時間外労働の上限規制

働き方改革関連法では、時間外労働の上限が設けられています。
上限は原則「月45時間・年360時間」で、繁忙期や臨時的な人員確保など特別な事情がある場合は、上限規制を超える時間外労働も認められています。
ただし詳細なルールがあり、条件に違反した場合は罰則が科せられるため、以下の内容に注意しなければなりません。

時間外労働|上限規制を超えて労働可能な条件
・1年の上限:年720時間以内(月平均80時間以内)
・1カ月の上限:月100時間未満
・2カ月から6カ月の月平均:月平均80時間以内
・月45時間を超える場合:年間6カ月限度

時間外労働|上限規制に違反した場合
・違反した事業主に30万円以下の罰金、もしくは6カ月以下の懲役

残業に関する情報は、こちらの記事も併せてご覧ください。

「36協定」について確認!派遣労働者の残業時間に関わる法規定 

時間外労働|上限規制のリスク

・時間外労働の上限規制により、労働者のサービス残業の増加・残業代の減少・管理職の負担など、さまざまな課題が見えてきます。
・サービス残業の増加:残業時間内に仕事が終わらずサービス残業をするケース
・給料の減少:時間外労働の規制により、給与に含まれていた残業代の減少
・管理職の負担:管理職には時間外労働における賃金の支払いがなく、就労負担やサービス残業が増える

時間外労働|上限規制の効果と注意点

時間外労働の減少は、労働者に時間的豊かさを与えます。
しかしその一方で、労働者を金銭的に不自由にさせる、企業の生産性を減少させるといったリスクをはらんでいます。

もう少し企業側の視点を掘り下げると、今まで通りのやり方では業務が回らなくなるケースもあるでしょう。サービス残業の増加や給与減少などの影響で離職者が増加し、労働人員の確保も困難になるかもしれません。
業務時間内に仕事が完結するよう、業務の見直しと打開策の検討・実行が急がれます。

なお、時間外労働を減らした結果、生産性が向上するケースもあります。
このケースでは、労働者の働き過ぎによる心身の負担・事故やけがなどを抑止できたことで、結果としてうまく企業の利益向上につながったわけです。

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残業は終業時間後の労働と考えがちですが、早朝出勤・休日出勤や勤務時間外のミーティング・清掃なども時間外労働となります。
先に述べたように、時間外労働の上限規制に違反した場合は罰則が科せられるため、企業の人事管理では、うっかり時間外労働の上限規制を超えることのないよう注意しなければなりません。

参考:労働時間となる・ならない時間|移動・休憩は勤務時間に含まれるのか

時間外労働は原則1分単位で記録するため、シフト制や人材派遣を利用する企業の勤怠管理は大変なものです。
人事担当者の負担を減らし、入力ミスなどを防止するためにも、システムを導入し人材を管理できると良いでしょう。

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