派遣社員の管理|派遣先企業が対応すべきこと・ポイントを解説
派遣社員の雇用形態は、派遣元企業と派遣先企業の2社が関わるため、一般の社員と違い複雑です。
弊社でも「派遣元企業と派遣先企業では、どちらが派遣社員を管理するのか」とご質問をいただくことがございます。
本記事では、派遣社員の雇用主「派遣元企業」と、就労先の「派遣先企業」が対応しなければならない、派遣社員の管理についてお話しします。
目次
労働者派遣法では「派遣社員の管理項目」が定められている
労働者派遣法では、雇用主(派遣元企業)・就労先(派遣先企業)それぞれに対し、派遣社員の管理項目が定められています。
また管理の責任は、派遣元企業・派遣先企業で分担することになっており、派遣先企業からは派遣先責任者・指揮命令者・苦情処理の担当者が選出されます。
派遣元企業・派遣先企業が管理する項目とは
派遣元企業と派遣先企業で、派遣社員に対する労務管理項目が異なります。
管理項目を以下にまとめましたので、ご参考ください。
・派遣元企業:賃金、有給休暇や産休の申請、災害の補償など
・派遣先企業:就労先での業務連絡や指示、職場環境の整備、勤怠時間など
派遣先企業は「派遣先管理台帳」を作成すること
派遣社員を受け入れる派遣先企業は、派遣社員一人ひとりに「派遣先管理台帳」を作成しなければなりません。
派遣管理台帳には、派遣社員の氏名や契約内容などが含まれており、派遣社員の日々の記録を残すこととなります。
また派遣先企業は月1回以上、この台帳を派遣元企業に通知する義務があるため、忘れずに勤怠管理を行う必要があるでしょう。
派遣先管理台帳に関連する記事は、こちらで紹介していますので、ぜひ併せてお読みください。
◆派遣先管理台帳の作成・保管・通知方法を解説!フォーマットもご紹介
◆【派遣先管理台帳の記載事項】派遣先企業がすべき派遣社員の苦情対応を解説 | 派遣管理システム グッジョブ
派遣先企業に求められる管理項目は5つ
派遣先企業が派遣社員を受け入れる際に必要な、派遣社員の管理項目は次の通りです。
①契約管理
②勤怠管理
③業務上の指導・指示
④健康・安全・健康の管理
⑤苦情・ハラスメント対応
上記の項目について、個別に説明していきます。
①契約管理
派遣社員の就業条件などの契約は、派遣元企業と派遣先企業で定めるものです。
派遣社員の契約管理は派遣元企業・派遣先企業ともに、共有・管理する必要があります。
派遣元企業と派遣先企業は、派遣社員から労働時間や業務など、契約内容に対する相談があった場合、早急に対処しなければなりません。
②勤怠管理
勤怠管理は、派遣社員を受け入れる派遣先企業側が行う管理項目です。
派遣社員の出退勤などの稼働日時は、正しく管理しないと賃金トラブルの原因となります。
そのため先にお伝えした通り、派遣先企業は派遣先管理台帳に派遣社員の就業時間や休日・遅刻・早退・有給休暇などを日々記録します。
また派遣社員の勤怠情報は、派遣先企業から派遣元企業へ月に1回以上報告する義務があります。他にも派遣元企業から問い合わせがあった場合には、適宜情報を提示しなければなりません。
多くの派遣社員を抱えるほど、勤怠管理は派遣先企業にとってコストのかかるものとなりますので、派遣元企業・派遣先企業間でスムーズに情報をやりとりするために、勤怠管理システムなどを利用するとよいでしょう。
③業務上の指導・指示
派遣社員への業務指導・指示は、派遣先企業が行います。
派遣先企業は、派遣社員に業務を指示する場合、派遣契約で決められたこと以外は指示できないことに注意してください。また派遣社員がスムーズに業務を遂行できるよう、業務の指示や指導をする担当者を置き、派遣社員にとって働きやすい環境を整えることも大切です。
④健康・安全・衛生の管理
派遣社員の一般の健康診断は派遣元企業で実施する義務がありますが、健康・衛生の管理、安全の確保については、派遣先企業側で管理しなければなりません。
具体的には、派遣社員に対しても一般の社員同様に、休憩時間の取得や福利厚生施設の利用等の面で配慮することが求められます。
また当然のことですが、派遣先企業はあらかじめ派遣社員へ、災害時における避難の方法や安否の確認・情報伝達方法なども知らせておきましょう。
⑤苦情・ハラスメント対応
苦情やハラスメントなどが発生する場合、ほとんどのケースで対応を求められるのは、派遣先企業となるでしょう。
派遣社員からの申し出について例を挙げると、就労時間の相違やパワハラ・モラハラなどがありますが、いずれの場合もプライバシーに配慮しなければなりません。
派遣社員から苦情の申し出があった場合、派遣先企業は速やかに派遣元企業へ報告し、原因究明・事実確認に協力の上、解決・再発防止に努めます。
この際の記録や対処した内容は、派遣先管理台帳へも記載し、保管する義務があります。
なお、苦情やハラスメントの申し出を理由とした、契約の早期終了・解雇など、派遣社員を不利益に扱うことは禁止されていますので、注意してください。
◆2022年4月施行の「パワハラ防止法」中小企業の義務と罰則
システムを導入して派遣社員の情報を適切に管理する
派遣社員の情報は適切に管理しなければなりませんが、労働者派遣法の改正に合わせ、派遣社員の雇用形態・勤務体系は複雑化しています。
そうでなくとも、多くの派遣社員を抱える中で、派遣先企業が一人ひとり個別に派遣先管理台帳を作成・管理するのは大変なことです。
このようなシーンでシステムを導入すると、日々の労働時間・有給休暇・時間外労働などといった就労実態をはじめ、業務内容・評価・勤怠まで、派遣社員の情報を間違いなく記録できます。
社内のコストを適切に削減しつつ、派遣社員へ正当な労働対価を支払うために、勤怠管理や契約管理を行う管理システム、弊社サービス「グッジョブ」の利用をおすすめします。
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◆機能説明 | 派遣管理システム グッジョブ