【2022年1月改正】電子帳簿保存法|人材派遣契約の電子化と対応ポイント
繁忙期等、企業が人手不足になった時、派遣社員は派遣先企業の即戦力になってくれますね。
そんな人材派遣を利用する際には、労使協定や労働派遣契約書の締結、派遣社員の管理に至るまで、様々な書類が関わります。
これまで各種書類について日本では、紙ベースで保管するものとされてきました。
しかし今後はいずれの企業も、書類をデータ化し、保存していかねばなりません。
この問題については弊社でも、派遣先企業様から「早急に対応すべきか?」「移行する方法は?」などとご相談をいただくことがございます。
本記事では、改正された電子帳簿保存法が、派遣企業にどのように関係してくるのかをお伝えします。
目次
電子帳簿保存法とは
過去、派遣社員の契約と言えば、派遣元企業・派遣先企業間において、紙(書面)の契約書を作成し、締結するものでした。
これは労働者派遣法の条文に「書面に記載」と書かれていたことから、契約書を紙ベースで作成する必要があったためです。
しかし2021年1月の法改正では「書面の作成に代えて当該書面に係る電磁的記録の作成を行うことができる。」として、派遣契約書の書面から電子化が認められることとなりました。
よってこれ以降は、派遣社員の雇用に関わる文章の作成・保存について、電子化が可能となったのです。
2022年1月の「電子帳簿保存法」改正内容
2022年1月、電子帳簿保存法が改正されました。
今回の法改正については、2年の猶予期間がありますが、個人経営・法人に関わらず、全ての業種で帳簿の電子化に対応しなければなりません。
改正電子帳簿保存法の保存方法3種類をまとめますので、参考にしてください。
- 電子帳簿保存:自社で作成する帳簿や書類を電子データ化して保存するもの
- スキャナ保存:スキャナやカメラなどで撮影したデータを電子化し保存するもの
- 電子取引データ保存:Eメール・Web上など電子取引関係の書類を電子データで保存するもの
電子取引とは
これまでは、パソコンなどを利用した電子取引があっても、書類の管理についてはデータを紙に印刷した上で保存する、という形式で十分でした。
しかし改正された電子帳簿保存法では、原則として書面保存は廃止されます。
電子取引を行う際には、取引情報の訂正・削除した履歴は残した状態で、各種書類を電子データとして保存しなければなりません。
電子帳簿保存法の改正歴
電子帳簿保存法の改正では、書類の電子化に対する義務と罰則が強化されています。
データの改ざん・隠ぺいなどで申告に虚偽があった、また過少な申告があった等、企業の管理に悪質な点が見受けられた場合には、罰則が適用されるため注意してください。
派遣契約書は2024年までに電子化が必要
改正電子帳簿保存法について、人材派遣に関連した内容を取り上げると、派遣社員と派遣元企業で締結する労働派遣契約書等はスキャナ保存が可能になりました。
ただし現在のところ、派遣帳票における電帳法の対象帳票は明確に決まっていません。
しかし、派遣先管理台帳などといった、派遣元企業と派遣先企業の間で必要とされる書類はデータ化を進めなければならない可能性があります。
◆改正電子帳簿保存法の対応について | 派遣管理システム グッジョブ
電子帳簿保存法|対象の書類
電子帳簿保存法におけるデータ保存とは、国税関係帳簿書類の「帳簿」と「書類」が対象となります。
更に詳しくいうと次の通り、書類によって電子帳簿保存・スキャナー保存が選択できます。
- 電子帳簿保存:パソコンで作成した総勘定元帳などの帳簿や、貸借対照表・棚卸表など決算に関する書類
- スキャナー保存:
- 重要書類として預金通帳・小切手・約束手形借用証書等、また納品書・請求書・領収書など
- 一般書類として見積書・注文書や貨物の受領書など
なおスキャナー保存では、書類の原本を拡大・縮小してはなりません。
そして一般書類をスキャンする場合、白黒(グレースケール)での保存が可能ですが、重要書類に関してはカラーでスキャンするか、撮影することが定められています。
これらの保存方法を誤れば、書類の扱いが無効になるケースもあるため、企業には正しいデータ管理が求められます。
また電子帳簿の保存期間は、個人経営・法人どちらの場合も5年から7年とされていますが、書類の種類によっても異なりますので、予め調べておくとよいでしょう。
電子帳簿保存法|対象外の書類
電子帳簿保存法において、対象外とされている書類もあります。
自社で作成した書類を印刷・スキャンしデータで保存しても構いませんが、印刷後に手書きで修正・訂正されている書類は電子帳簿として認められません。
また見積書や請求書などで手書き部分がある書類も、電子保存帳簿として認められないため注意してください。
人材派遣契約の電子化に対応するポイント
ここでは新たな電子帳簿保存法と電子化について、事例と対応ポイントをお伝えします。
雇用契約書や派遣契約の書類を電子メール・電子データで行っているケース
契約書・請求書等の書類を電子メール・電子データで送付するケースについては、「電子取引」に該当します。
前述した通り、今後の電子取引は電子帳簿保存法に対応する必要があるため、管理システムを利用するなどして、適切に保存・管理するとよいでしょう。
領収書等を電子化したいケース
SuicaといったICカード、QRコード決済・クレジットカード等の電子決済については、会社の経理システムと連携されていれば、利用明細書を領収書として扱うことができます。
ただし領収書の改ざん、領収書の画像使いまわし、申告の重複などがないよう留意してください。
人材派遣契約の書類は人材派遣管理システム「グッジョブ」で電子化を
デジタル庁の設立から、デジタル化社会に向けて様々な法改正が行われてきました。
これらの法改正は、企業にとって事務処理のコストが削減でき、業務効率が上がる取り組みである一方、DXの導入・インボイス制度など、その課題は山積みとも言えます。
しかも今回お伝えした電子帳簿保存法の改正に関しては、派遣帳票における電帳法の対象帳票が、現段階ではっきりと決まっていないわけです。
◆改正電子帳簿保存法の対応について | 派遣管理システム グッジョブ
電子帳簿保存法への対応は、弊社を含め多くの企業でいまだ模索している段階ですから、詳しくは今後の動向を注視する必要があるでしょう。
ただし弊社では、このような各種制度に対応する土台として、皆様のお役に立つシステム「グッジョブ」を提供しています。
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