グッジョブコラム 2023.02.15

派遣先企業への「派遣料金の配慮義務」と派遣社員の「評価」【労働者派遣法改正】

現行の労働者派遣法では「派遣料金」について、業務の内容や成果、能力・経験などを公平に評価し、決定するよう定めています。

この評価は派遣社員の労働環境を守るために大切なものですが、派遣先企業様にとっては手間がかかる人材管理情報の一つでしょう。
私共も派遣先企業様とお話しする際に、派遣社員をどのように評価すべきか、効率的に情報を管理する方法についてなど、ご質問・ご相談いただくことがございます。

ここでは派遣料金の決定に際し、派遣先企業に求められる人事評価と、その前提となる「派遣料金の配慮義務」について説明していきます。

派遣先企業には派遣料金の「配慮義務」がある

2020年4月、厚生労働省は、非正規労働者の労働条件を改善し不合理な待遇差をなくす目的で、労働者派遣法を改正し「同一労働同一賃金」を施行しました。

以降、派遣労働者を受け入れる派遣先企業には「派遣労働者の賃金に関する配慮」が義務付けられています。
 
【同一労働同一賃金】労使協定方式とは?派遣先均等・均衡方式との違いやメリットを確認

派遣料金の配慮義務

これまでの派遣社員は、雇用形態の違いだけで仕事の結果や能力が評価されず、正社員に比べて賃金・福利厚生などに格差が生じてしまう状況がありました。

しかし前述した同一労働同一賃金の施行により、現在の派遣社員に対しては「非正規労働者であっても、正規労働者と比較し賃金などの差をつけず、均等・均衡な待遇を確保する」ことを目的として定められました。

ただ、法改正とはいえ急に正社員と同等となると混乱も生じることから、スキルや業務範囲などが拡大していた場合、段階的に昇給を行っていく労使協定方式が用意され、ほとんどの派遣会社が労使協定方式を採用することになりました。そして派遣元には、評価を行いその結果によって賃金を上げていく義務が、派遣先には派遣元からの賃金を上げるための料金交渉について配慮をすること、配慮の中身は定義されていませんがまずは相談に乗ることが必要と思われます。

評価は派遣先がやらないといけないのか?

事務・技術系の派遣会社は、自社の独自の評価項目を用いて派遣先に評価をつけてもらうなどの動きを取っています。もともと評価を行って料金交渉をする流れができていたこともあり、あまり混乱はないように見えます。

製造派遣においては、同一職種での人数の多さや派遣先が利用する派遣会社の数が多いこともあり、積極的に派遣元が動いているわけではないようです。元来従事する業務がスキルによって変更があるものではなく、同じ作業を繰り返す職種が多いため、スキル・業務範囲の向上・拡大があまりなく実態に即していないためか、動きが遅れているように見えます。

しかし法律として派遣元には義務として課せられているため、対応しなければならないことは事実です。おそらく施行から3年目になる今年度は動きがあると思われます。ただ派遣元は現場を見ることができないため、派遣先からの協力が必要になります。とはいえ、複数の派遣元から別々の評価依頼を受けると現場が混乱するでしょう。

派遣元に任せるより、派遣先主導で動くほうが現場の混乱も少なくなるでしょうし、その先の料金交渉にも影響が出てくると考えられます。配慮義務だからと後手に回らないほうが良い状況です。

配慮不足とみなされるケース

派遣元企業から派遣先企業へ、派遣料金について要求があった場合に派遣先企業の配慮不足と見なされる例を挙げます。

派遣元企業が派遣料金を交渉した結果、「派遣先企業の配慮不足」と見なされる例

  • 派遣先企業が一切交渉に応じなかった
  • 実際の派遣料金が派遣元企業の提示額を下回った

「配慮義務」と「義務」「努力義務」の違い

配慮義務とは、「義務」に比べ法的な拘束力はありませんが、「努力義務」より効力が強いものです。

派遣料金の配慮義務においても、派遣料金に対してどのように配慮していくか、具体的に計画・行動し、結果を示さねばなりません。

万が一にも行政指導の対象とならないよう、法令に記される「配慮義務」の内容を正しく理解し、配慮を尽くしていると評価されるようにするとよいでしょう。

配慮義務・義務・努力義務の違いについて次の表にまとめましたので、こちらも参考にしてください。
 

 

派遣先企業が派遣社員を評価する方法・ポイント

派遣料金を決めるためには、派遣社員の雇用主である派遣元企業が、派遣社員の就業状況を把握しなければなりません。

派遣先企業は、派遣元企業が適切な派遣料金を決定できるよう協力し、派遣社員の就業状況を評価、派遣元企業へ通知する必要があります。

基本的な派遣社員の評価方法

派遣社員の評価方法は業務内容によって異なりますが、いずれの場合にも公正な評価が求められます。

ここでは評価内容の例を紹介します。

  • 業務内容
  • 業務に対するスキル・処理能力
  • 勤務態度
  • 業務に対する取り組み・姿勢
  • 目標の達成など

また派遣元企業から派遣先企業へ、評価項目や様式が提供される場合もあります。

虚偽の情報は「配慮義務違反」の対象になる

派遣先企業は派遣元企業へ、派遣社員の就業状況等を評価するために情報を提供しなければなりません。

しかしここで言う評価は、派遣先企業にとってはコストのかかるもので、派遣元企業にとっては人件費の負担が増える可能性のあるものです。

だからといって、派遣先企業が虚偽の情報を提供したり、派遣元企業への協力を怠ったりした場合、配慮義務違反として行政処分の対象になることもありますので、十分に注意してください。

派遣企業間で勤怠情報を共有し、派遣社員を適正に評価する

派遣社員の人事評価は、派遣元企業・派遣先企業が共にコンプライアンスを順守するため、また派遣労働者の労働権利を守るために重要なことです。

派遣受け入れ企業においては、全ての派遣社員に対して適正・公平な評価を行わなければなりません。

仮に派遣社員ごとに派遣元企業が異なれば、派遣社員の情報を提供する際にも、派遣元企業別に評価項目や様式を要求されることもあるでしょう。

いずれにしても、派遣先企業が派遣社員の勤務情報を評価・管理し続けるには、大変な人事コストがかかります。

弊社では、派遣企業間で利用できる人材情報管理システム「グッジョブ」を提供しています。

グッジョブの関連機能「スタッフ評価機能」では、派遣先企業でテーブルや評価項目・実施時期などを細かく設定でき、評価結果を派遣元企業に通知・共有できます。

上記のスタッフ評価機能について、詳しくお伝えしているページを紹介しますので、ぜひこちらをお読みいただき、グッジョブのご利用をご検討ください!
 
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