【60歳以上の派遣契約】何歳まで働ける?シニア派遣のメリットや助成金を解説
人手不足の解消として、定年退職した高年齢者の再雇用「シニア派遣」に注目が集まっています。
シニア派遣は、まだ活躍したいシニア層に人気があり、国や企業からも新たな労働力・人材確保の手段と考えられています。
今回は、今後の日本社会や派遣先企業にとって重要な「シニア派遣」の背景と、シニア層の雇用についてお伝えします。
目次
60歳以上の派遣契約が増えている
シニア派遣とは、明確な年齢の定義はないものの「50歳から70歳くらいの派遣労働者」を指します。
シニア派遣は次のような理由で、年々増加傾向にあります。
シニア派遣が増加傾向にある背景
人生100年時代と言われる現代、日本では少子高齢化が進んでいます。
労働人口が減少しているにもかかわらず、少子化が改善される見込みはありません。
国をあげて退職者の再雇用や定年制の延長など、新たな政策を打ち出していることもあり、シニア派遣の利用が増えています。
60歳以上の派遣契約には定年がない
派遣社員は、雇用年齢(定年)の制限がありません。
65歳で定年を迎える職場が多い中、派遣社員は心身ともに健康で労働意欲があれば、派遣契約が可能です。
また派遣先企業では派遣社員の年齢を制限・指定できないため、派遣社員にとっては業務の選択肢が広くなるでしょう。
【60歳以上の派遣契約】シニア派遣のメリット
シニア派遣には、助成金や雇用ハードルの低さなど、シニア層を採用する特有のメリットがあります。
経験者を即戦力として雇える
派遣人材のシニア層には、培ってきた技術・経験を生かせるエキスパートも多く在籍しています。
人手不足が叫ばれる中でも、シニア派遣の受け入れなら、定年退職・早期退職した優秀人材を即戦力として確保できるわけです。
派遣期間の制限がない
通常の派遣社員には「3年ルール」と呼ばれる派遣期間の制限がありますが、60歳以上の派遣労働者は「3年ルールの例外」です。
シニア派遣では派遣期間の制限を考える必要がありません。
◆派遣法の3年ルールをわかりやすく解説|派遣社員が延長して働くには
日雇い可能
労働者派遣法では原則として日雇い派遣は禁止されていますが、満60歳以上の場合、例外として日雇い派遣が認められます。
再就職のハードルが低い
人材不足が続いている中でも、多くの企業は「できるだけ若い人材に長く働いてほしい」と考えています。
つまり労働者はよほどの技術やスキルがない限り、年齢を重ねるほど再就職が難しくなるわけです。
しかしシニア派遣ならば、企業には人材コストを下げつつ即戦力を投入できるメリットがあります。
定年退職者・早期退職者においても、体力的な問題や年金受給との兼ね合いで長時間働けない点に悩むことはありません。
シニア派遣は、企業・シニア双方にメリットがあるでしょう。
助成金を活用できる可能性がある
厚生労働省では、高齢化社会への対策として高年齢者の再雇用を後押しする「助成金制度」を設けています。
65歳超雇用推進助成金
65歳超雇用推進助成金制度は「60歳から65歳に達した従業員が、定年後も働ける環境を作り、生涯現役の社会を実現させる」ことを目標に設立されました。
65歳超雇用推進助成金は、定年の廃止や高年齢者の雇用などをした事業主に支給されます。
この65歳超雇用推進助成金には、以下のコースがあります。
・65歳超継続雇用促進コース
65歳超継続雇用促進コースは、以下のいずれかを実施した事業主に助成する制度です。
①65歳以上への定年引き上げ
②定年制度の廃止
③66歳以上の希望者の「継続雇用制度」の導入
④「他社による継続雇用制度」の導入
・高年齢者評価制度等雇用管理改善コース
高年齢者評価制度等雇用管理改善コースは、高年齢者の雇用に向けて雇用管理制度の整備などを実施した事業主について、経費の一部を助成する制度です。
・高年齢者無期雇用転換コース
高年齢者無期雇用転換コースは、定年を迎えていない50歳以上の有期契約労働者を、無期雇用労働者に転換させた事業主に助成金を給付する制度です。
特定求職者雇用開発助成金
就職困難者(高年齢者や障害者など)をハローワークなどの紹介で継続して雇用した場合には、特定求職者雇用開発助成金が支給されます。
【60歳以上の派遣契約】シニア派遣のデメリット・注意点
シニア派遣(60歳以上の派遣契約)では、次のデメリットも把握しておいてください。
シニア層は体力・健康に不安がある
シニア層は体力が低下しているため、フルタイムなどといった身体的に負担のかかる働き方は難しいでしょう。
また若手派遣社員と比べると、急病などで欠勤するリスクも高くなります。
適材適所を実現するため「働く目的」を確認する
派遣先企業はシニア層へ「定年退職後になぜ働きたいのか」といった、働く目的を確かめることをおすすめします。
定年退職後の就職には、人や社会と関わりを持ちたい、やりがいが欲しいなど、その人によりさまざまな理由があります。
派遣労働者のモチベーションをあげ、業務姿勢に適したポストを用意するためにも、シニア派遣では特に労働の目的を確認しておいてください。
人間関係・上下関係を配慮する
シニア派遣では、配置先が若手社員ばかりだと職場環境になじめないケースもあります。
派遣先企業は、現場の社員とシニア派遣が共に働きやすく、また受け入れた派遣社員が活躍できる人材配置を考慮できるといいでしょう。
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シニア派遣には、教育コストをかけずに知識やスキルのある優秀な人材を即採用できる魅力があります。
シニア層の体力面や長時間労働の難しさを理解し、うまくシフトを調整できれば、人件費を節約しつつ人材不足を解消できます。
ただしシニア派遣を利用する場合、派遣社員の採用数が増え、派遣人材の情報管理が煩雑になるかもしれません。
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