グッジョブコラム 2023.05.17

派遣法の3年ルールをわかりやすく解説|派遣社員が延長して働くには

派遣社員の雇用には、「3年ルール」と呼ばれる派遣の期限が設けられていますが、派遣先企業にとっては、社内の雰囲気や仕事の流れなどを理解している派遣社員に、継続して自社の業務に就いてもらいたいケースがあるでしょう。
しかし3年ルールについては、必ずしも同じ企業で3年以上働けないわけではありません。
3年ルールの詳細は、抵触日の種類が事業所単位・個人単位のいずれであるかにより内容が異なりますが、本記事では個人単位の場合にフォーカスしてお伝えします。

労働者派遣法の3年ルールとは

通称「3年ルール」は、2015年に労働者派遣法を改正した制度です。
派遣元企業・派遣先企業はもちろん、派遣社員自身も派遣期間に制限があることを把握しておかなければなりません。

派遣労働者の受け入れルールを振り返る

派遣元企業と派遣先企業には、派遣社員を受け入れるための「派遣契約の締結」「派遣社員の就業期間制限」など労働者派遣法の規定があり、その中のひとつが3年ルールです。
3年ルールでは「派遣社員が派遣先企業の同じ部署に勤務できる期間は最長3年」と定めています。
3年ルールは派遣社員の雇用や就業に大きく関わるため、十分に理解しておく必要があるでしょう。

3年ルールが適用されるケース

3年ルールは、同じ派遣先企業の同じ部署に3年就労する場合、派遣社員個人に適用されるものです。
仮に派遣社員が別の派遣元企業と契約し直し、同じ派遣先企業の同じ部署に続けて就労しようとしても以前の就労期間は記録されているため、法的に就労できません。
また、派遣社員には3年ルールだけでなく、契約満期に関わる「派遣の抵触日」があります。
派遣の抵触日は、派遣の契約形態が事業所単位か個人単位かで異なるため、詳細は雇用契約を結んでいる派遣元企業へ確かめておきましょう。

<関連>
◆派遣の抵触日とは?派遣先企業が知るべき抵触日の通知義務について解説!
◆「派遣の抵触日」を延長する手続きを確認!事業所単位の派遣可能期間について | 派遣管理システム グッジョブ

3年ルールが適用されないケース

労働者派遣法では、条件によって3年ルールが適用されず、就労期限なしに働ける場合もあります。

3年ルールの例外

派遣の就労期間を3年間としない、3年ルールの対象外となる例を紹介します。

  • 派遣社員と派遣元企業が無期限雇用契約を結んだ場合
  • 派遣社員の年齢が60歳以上の場合
  • プロジェクトなどに参加し、有期で派遣終了日が決まっている場合
  • 日数限定の業務
  • 産休・育児・介護などの代行業務

補足として、派遣の抵触日が事業所単位の場合に限りますが、手続きが通ればさらに3年を上限として、同派遣社員の雇用期間を延長できる場合もあります。
詳しくはこちらのURLもお確かめください。

◆「派遣の抵触日」を延長する手続きを確認!事業所単位の派遣可能期間について | 派遣管理システム グッジョブ

労働者派遣法の3年ルール|メリット・デメリットは

派遣社員と派遣先企業の間の「3年ルール」について、両者のメリットとデメリットをまとめました。

3年ルールのメリット

派遣先企業は人材不足解消のほか、短期的な即戦力の投入など、様々な目的で派遣社員を採用します。
派遣先企業の視点では、派遣社員が自社に適した人材か判断でき、派遣社員の視点でも派遣先企業が自分に適した職場であるか確かめられるわけです。
詳しくは後述しますが3年ルールには例外があり、派遣先企業・派遣社員がともに望めば、3年を超えて継続して働けるケースもあります。

3年ルールのデメリット

「3年ルール」のデメリットは以下の通りです。

  • 派遣先企業:3年を超えて派遣社員を雇用し続けたいケースでは、雇用契約を有期期限から無期限契約に変更する必要が生じる(派遣社員を無期限雇用する場合、解雇が難しくなる)
  • 派遣社員:派遣社員が出来るだけ長く勤めたいと思っていても、派遣元企業が「長くとも3年いっぱいで派遣契約を打ち切りたい」と考えている場合、雇用期間である3年以内に雇用契約を解除される可能性がある /li>

派遣社員を受け入れて3年後の選択肢

基本的に、派遣社員は同じ派遣先企業の同じ部署で、3年を超え継続して就労することは出来ません。
3年ルール適用後の派遣社員には、次の選択肢があります。

① 部署や課を異動する(同じ派遣先企業で他部署を希望し異動する)
② 派遣元企業に無期雇用してもらう
③ 派遣先企業に直接雇用してもらう

ここからは、上記3点についてそれぞれ説明します。

① 部署や課を異動する

3年ルールの適用は「同じ派遣先企業の同じ派遣部署」とされています。
つまり部署が変われば、新たに3年ルールがスタート出来ます。
例えばA社の人事課で3年間務めた後に、同じA社の総務課に配属されれば、異なる部署の勤務として新たに有期雇用3年の就労が可能となるわけです。
ただし同じ派遣元企業では、派遣社員の雇用が通算5年以上になると「5年ルール」が発生するため注意してください。
「5年ルール」とは、派遣社員や契約社員を通算で5年間雇用した場合、無期雇用に転換しなければならない制度です。
この制度は条件を満たした場合に適用され、無期雇用は契約期間がなくなるだけで、労働条件は変わらず新たに定年などの制度も適用されます。

②派遣元企業に無期雇用してもらう

派遣社員は派遣元企業と雇用契約を結んでいます。
そのため、派遣元企業と相談し、派遣雇用契約の内容を有期雇用から無期雇用に変更できれば「3年ルール」の対象外となります。
ただし派遣元企業によって、無期雇用の転換制度や条件などが異なる場合や、転換制度を設けていない場合もあります。

③派遣先企業に直接雇用してもらう

3年ルールでは、3年を満期として派遣社員の雇用が終了となります。
しかし派遣先企業にとって、長く就労した派遣社員は業務内容を把握しており、新しく社員を採用するよりも教育費用や指導の手間がかからない存在です。
派遣先企業と派遣社員が、共に継続した就労を希望する場合は、派遣先企業と派遣社員の間で直接雇用の契約を結ぶことをおすすめします。

システムを利用して派遣社員の雇用期間をしっかりと管理する

人材派遣を利用する派遣先企業では多くの派遣社員を雇用し、24時間操業しているようなケースもあるはずです。
派遣先企業は自社の仕事を円滑に回すためにも、派遣社員の雇用期間について、特に気を配らねばなりません。
しかしながら、多様な働き方によって複雑化している派遣社員一人一人に対し、雇用条件・就労時間などを個別に管理するのは大変なことでしょう。
そこで弊社では、派遣社員の情報管理をシステム化できるサービス「グッジョブ」をおすすめします。
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