グッジョブコラム 2023.10.25

【派遣の抵触日】抵触日をリセットできる「クーリング期間」について

労働者派遣法の改正後、派遣には期間制限(派遣の抵触日)が設けられ、派遣は一時的・臨時的な働き方となりました。
しかし派遣の抵触日には、抵触日をリセットできる「クーリング期間」があります。
本記事では、3年ルール・派遣の抵触日といった派遣の基本を振り返りながら、派遣の抵触日をリセットできるクーリング期間について解説します。

「派遣の抵触日」をおさらい

冒頭でも触れましたが、人材派遣には受入期間制限があり、この制限を「派遣の抵触日」と言います。
派遣の抵触日は、派遣受入期間から3年が経過した翌日を指し、例えば2022年4月1日に派遣社員を受け入れた場合、当該派遣社員の抵触日は2025年4月1日となります。

派遣の抵触日とは?派遣先企業が知るべき抵触日の通知義務について解説! | 派遣管理システム グッジョブ

派遣の3年ルール

派遣の3年ルールとは、労働者派遣法による就業期間の定めです。
わかりやすく言うと、「派遣社員が同じ事業所の同じ部署で就業できるのは、就業開始日から原則3年まで」ということです。

派遣法の3年ルールをわかりやすく解説|派遣社員が延長して働くには

抵触日の種類

先述した通り、派遣の受入期間制限に抵触する日を「派遣の抵触日」と呼びます。
派遣の抵触日には「事業所単位」「個人単位」の2種類があり、ケースにより抵触日の日付は異なります。

事業所単位の抵触日

「事業所単位の抵触日」とは、派遣元企業・派遣先企業間の契約日を起算日とした抵触日のことです。
派遣先企業の派遣受入可能期間は、同一事業所の場合で原則3年までとなります。

個人単位の抵触日

「個人単位の抵触日」とは、派遣社員個人が派遣として就業可能な期間・期日を指します。
派遣社員は同じ派遣先の同じ部署において、就労初日から最大3年間働くことができます。
なお派遣契約の流れとしては、派遣元企業と派遣先企業が契約を締結した後で、派遣元企業と派遣社員が雇用契約を行います。
事業所間の契約日・派遣雇用契約日・派遣就労日にずれが生じた場合は、「事業所単位の抵触日」が優先されます。
以下に事業所単位が優先されるその他の例も紹介しますので、参考にしてください。

■派遣の抵触日|個人単位より事業所単位が優先される例
派遣先企業は、派遣元企業と派遣契約を締結した。
はじめに受け入れた派遣社員のAさんは1年で退職したため、次に派遣社員Bさんを受け入れた。
Bさんは個人単位の抵触日でいうと3年の猶予があり、派遣先企業はできるだけ長く働いてもらいたいと思っている。
しかし派遣先企業には、派遣元企業と契約した「事業所単位の抵触日」があり、今回のケースでは事業所単位の抵触日が優先されるため、Bさんを2年弱しか働かせることができない。

上記のルールを含め、抵触日の詳細については、こちらの記事でより詳しく解説しています。

抵触日の通知書とフォーマット|抵触日通知書の内容・書き方を解説!

派遣の抵触日はリセットできる

3年ルールの抵触日は、リセットできるケースがあります。

「クーリング期間」について

3年ルールの抵触日は、派遣社員が抵触日を迎えた場合、働いていた派遣先企業の抵触日から3カ月と1日以上の時間をあけることによりリセットできます。
抵触日のリセットにより、新たに3年間同じ派遣先での就労が可能となるわけです。

クーリング期間の注意点

派遣の抵触日を迎えクーリング期間を利用する場合、注意点があります。

派遣社員が派遣元企業との雇用関係を失う可能性

派遣社員は抵触日を迎えた後、派遣元企業と雇用契約を更新できないケースがあります。
そのため派遣先企業は、同じ派遣社員を再度受け入れられるとは限りません。
また派遣社員の視点では、クーリング期間(3カ月と1日以上)は雇用関係がないため、無収入になってしまうことを理解し、社会保険などを脱退するかも視野に入れると良いよいでしょう。

再雇用の保証はない

先の項でも触れましたが、クーリング期間終了後、派遣先企業が同じ派遣社員を再雇用できる保証はありません。
派遣社員・派遣先企業間の口約束にかかわらず、派遣元企業が同意し派遣先企業と派遣契約を交わさなければ、同じ派遣社員を採用できないのです。

クーリング期間中に直接雇用されるとしばらく派遣契約できない

クーリング期間中に、元派遣社員を直接雇用したいと考えるケースもあるでしょう。
しかしクーリング期間中、元派遣社員を一度でも直接雇用してしまうと、クーリング期間が終了してもしばらくの間、派遣社員として契約することはできません。
労働者派遣法では、離職後1年以内の従業員は派遣社員として雇い入れられないと定めているため注意してください。

「派遣の抵触日」を延長する手続きを確認!事業所単位の派遣可能期間について

労働者派遣法を正しく守り適切に派遣人材を活用しよう

労働者派遣法は、派遣社員の待遇を守るため、頻繁に法改正を行っています。
一方で派遣先企業にとっては、派遣社員それぞれの雇用形態・勤務体系を個別に管理する書類や仕組みが複雑化し、負担が増えているはずです。
働き手が減りつつある少子高齢化の日本では、手厚く労働者を守る必要がありますが、同時にDX化を推進し、企業の業務コストを減らさなければなりません。
弊社では、派遣の人材管理・企業のDX化に最適なシステム「グッジョブ」を用意しております。
グッジョブでは日々の労働時間・有給休暇・時間外労働などといった就労実態をはじめ、業務内容・評価・勤怠まで、派遣社員の情報を細かく記録できます。
また派遣の抵触日などをリマインドで通知する機能もあり、意図せず法律に違反してしまう心配もありません。
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