有給休暇の取得が義務化!派遣先・派遣社員が知るべき取得条件・日数を解説
これまで有給休暇に関しては、人手が足りず取得できない、自分だけ申請しにくいといった実情がありました。
しかし、現在の労働基準法では労働者の権利や待遇を守るべく、有給休暇を積極的に取得するよう呼び掛けています。
本記事では派遣社員を受け入れる派遣先企業へ向けて、有給休暇取得について解説します。
労働人口は年々減少していますので、派遣社員の待遇を向上させ、長く働き続けてもらえるような企業・社会を目指しましょう。
目次
派遣社員の年次有給休暇(有給休暇)について
有給休暇(年次有給休暇)は、労働基準法第39条で定められた休暇です。
2019年の労働基準法改正で、年5日の有給休暇取得が義務となりました。
派遣社員の場合も、労働基準法に基づく要件を満たせば有給休暇を取得できます。
有給休暇の取得日数
労働者に付与される有給休暇の日数は、勤続年数や勤務時間によって異なりますが、上限は20日とされています。
勤続年数に対する、有給休暇付与日数の例を紹介します。
■週5日勤務(フルタイム)の派遣社員のケース
継続勤務年数 | 有給休暇の付与日数 |
6カ月 | 10日 |
1年6カ月 | 11日 |
2年6カ月 | 12日 |
3年6カ月 | 14日 |
4年6カ月 | 16日 |
5年6カ月 | 18日 |
6年6カ月以上 | 20日 |
有給休暇が付与される条件
派遣社員の有給休暇は、以下の条件を満たした場合に付与されます。
- 同一の派遣元で、6カ月間以上継続して勤務していること
- 6カ月間の勤務継続中に全労働日の8割以上出勤していること
有給休暇の取得方法
派遣社員が有給休暇を希望するときは、有給休暇の管理元である派遣元企業へ申請します。
ただし、労働義務のない日に有給休暇を取得することはできません。
■参考:有給休暇の有効期限
有給休暇の有効期限は、有給休暇を付与された日から2年です。
1年以内に有給休暇を全て取得できず、取得可能な日数が残っている場合には、翌年に加算されます。
当サイトでは、年次有給休暇管理簿の参考記事を掲載しています。
ぜひこちらのページも併せてご覧ください。
◆「年次有給休暇管理簿」の作成・管理方法|保存期間や義務・罰則も解説! | 派遣管理システム グッジョブ
派遣先を変更したら有給休暇はどうなるか
これまで説明した通り派遣社員にも有給休暇がありますが、派遣先が変わるケースには注意してください。
派遣社員の雇用主は派遣元企業で、有給休暇の管理も派遣元企業が行います。
そのため派遣先が変わっても、派遣社員の有給休暇の残日数を新しい派遣先企業へ引き継ぐことができます。
ただし、有給休暇の引き継ぎには「1カ月以上の継続勤務」という条件があります。
継続勤務が認められない場合、有給休暇の日数を引き継ぐことはできません。
有給休暇の取得義務化|派遣元企業・派遣先企業への影響・注意点
現在の有給休暇には、法的な取得義務がありますので、最低でも年5日は派遣社員に有給休暇を取得させなければなりません。
しかし有給休暇を取得させたとして、派遣社員のリフレッシュになるものの、派遣元企業と派遣先企業にとっては、シフトの調整や支払い面などで負担が増えてしまいます。
それぞれの希望・都合を話し合い、三者間で折り合いをつけながら、有給休暇を消化していく必要があるでしょう。
派遣社員の有給休暇申請先は「派遣元企業」
先にも触れましたが、基本的に派遣社員の有給休暇申請先は「派遣元企業」となります。
これは、派遣社員の有給休暇管理や、有給に対する給与支払いを派遣元企業が行うためです。
派遣元企業は有給休暇の日程を変更できる
派遣社員の有給休暇希望日が繁忙期にぶつかるなどして、企業の業務に支障を来すようなケースでは、派遣元企業は有給休暇の日程を変更できます。
有給休暇の希望日については、事前に派遣社員と派遣先企業が相談したうえで取得できるよう取り決めておくとよいでしょう。
有給休暇取得を理由に派遣社員を不当に扱わない
派遣元企業・派遣先企業は、有給休暇取得を理由に賃金を減額する・仕事を減らすなど、派遣社員に不利益な扱いをしてはなりません。
パワーハラスメント防止法などに該当しないよう、十分注意してください。
◆2022年4月施行の「パワハラ防止法」中小企業の義務と罰則 | 派遣管理システム グッジョブ
◆派遣社員が定着しない!派遣先で「すぐ辞めない」ための方法をご紹介 | 派遣管理システム グッジョブ
派遣社員の有給休暇取得も「グッジョブ」でスムーズに
有給休暇の取得は労働者の権利です。生産性への影響や、他の労働者へ負担がないよう、企業全体の稼働状況と人員配置のバランスを考えつつ、適切に有給休暇を取得させなければなりません。
しかし派遣先企業は、人手不足の解消に派遣社員を受け入れているわけで、全労働者の希望休を配慮し、シフトを調整するのは困難でしょう。
それでも派遣先企業は、なるべく全ての労働者が、希望通り有給休暇を取得できるよう努力する必要があります。
勤怠管理の複雑化や人事担当の負担増は避けられませんが、派遣先企業は以下のような対策を検討しておくとよいでしょう。
- 派遣社員への対策:数カ月前から余裕をもって、希望の有給休暇取得日を知らせるよう通達する
- 派遣元企業への交渉:人材不足を避けられなければ、別の派遣社員を補充できるか交渉する
また人事担当の負担を軽減するために、勤怠管理を円滑にするシステムの利用もおすすめです。
弊社の人材派遣管理システム「グッジョブ」には、スタッフ情報管理機能があり、有給休暇取得のほか、急な就労時間の変更などがあっても、簡単・スムーズに勤怠を管理できます。
システムの仕様・機能の詳細やイメージは以下のページで紹介しています。
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