オンボーディングとは? 意味・目的・実施ポイントをわかりやすく解説
近年、新入社員の早期離職が問題視されています。
離職の理由は、会社になじめない、他社の条件が良い、想像していた仕事と違うなどさまざまです。
企業は安定して事業を運営するため、社員の帰属意識を高め、早期離職に歯止めをかけなければなりません。
ここでは、企業が取り組むべき「オンボーディング」について説明します。
目次
オンボーディングとは
オンボーディングとは、on-board(船や飛行機に乗っている)という言葉に由来しています。
中途採用を含む新入社員が、早く企業になじみ、能力を発揮できるようにする取り組みです。
オンボーディングとOJTの違い
オンボーディングとOJTはともに社員の教育方法ですが、次の通り目的や教育内容に違いがあります。
・OJT(On the JobTraining):実務訓練を通した新入社員の教育や育成方法
・オンボーディング(on-boarding):企業や職場の環境に慣れるための取り組み
オンボーディングが注目される理由
労働人口が減少する中、新入社員の早期離職率が高い割合で推移しています。
新入社員を定着させるための取り組みとして、オンボーディングが注目されています。
◆関連:2025年問題とは|人材派遣における問題点・解決策についてわかりやすく解説
オンボーディングの目的
オンボーディングでの目的は、次の通り「新入社員の早期退職の防止」「社員の戦力強化」にあります。
早期退職の防止
早期退職防止への具体的な取り組みには、「メンター制度」があります。
メンター制度は、職務経験・知識のある先輩社員がメンターとなり、新入社員を個別にサポートするもの。コミュニケーションの構築から、業務に関する悩み・相談まで、新入社員が長く働けるように幅広く支援します。
◆参考:派遣社員が定着しない!派遣先で「すぐ辞めない」ための方法をご紹介 | 派遣管理システム グッジョブ
社員の戦力強化
社員の戦力強化のポイントは、新入社員を早くチームに溶け込ませること。
そのためには、就業規則・ルール・顧客情報・ビジネスマナー・企業文化や社風などの情報を共有するといいでしょう。
オンボーディングのメリット
オンボーディングのメリットを紹介します。
採用や研修コストの削減
オンボーディングを実施すると、新入社員の早期離職率が減少する傾向にあります。
社員が辞めなければ、新規に採用する必要がないため、採用コストや採用後の研修費用などを削減できるでしょう。
チームの生産性アップ
オンボーディングは、所属するチームだけでなく、関連する部署など多くの人の協力を得て実施されます。
いち早く新入社員が即戦力となれば、チームの生産性も企業の業績も向上します。
エンゲージメントの向上
エンゲージメントとは、絆やつながりを指す言葉。
企業と社員の間に強い信頼関係や絆ができれば、職場の活性化・離職率の低下・顧客満足度アップにつながり、事業を継続しやすい環境が生まれます。
オンボーディングの導入方法
オンボーディングでは、実施する内容、期間、関わる人数などについて、一般の研修を大幅に上回るコストがかかります。
そのため目標や期間などを具体的に計画しなければなりません。
目標設定
はじめに、新入社員へ「習得したいスキル」「企業内でどう活躍したいか」など、自身の目標を立てさせます。
企業は新入社員の目標を実現するため、PDCAのサイクルを回しましょう。
※PDCAとは、Plan(計画)Do(実行)Check(測定・評価)Action(対策・改善)
計画を作成
オンボーディングの具体的な取り組みを計画します。
また短期の目標として、1カ月・3カ月・6カ月など期限を設けるといいでしょう。
オンボーディング実施
実際にオンボーディングを実施しても計画通りに進まないケースもあります。
計画に不備や改善点があれば、素早く対応しましょう。
対処が遅れると、新入社員のモチベーションが低下し、最悪の場合には早期離職してしまいます。
実施後の調査と改善
オンボーディングの実施後も、PDCAのサイクルを回し、問題がないか調査します。
計画内容は適正か、離職防止になったか、企業やポストに不足・不満はなかったかなどを調べ、問題点があれば改善してください。
オンボーディングの導入における注意点
オンボーディングの導入では、以下の注意すべき点があります。
事前準備と細分化した目標
オンボーディングを実施するには、前準備として教育目標を細かく決める必要があります。
またトレーナーの選出から、教材・資料・マニュアルなどの用意、必要な機材の準備が欠かせません。
コミュニケーションやサポートの整備
新入社員が人間関係を構築しやすいよう、コミュニケーション作りのサポート体制を整えましょう。
上司・先輩社員・同僚・同期入社など多方面のフォローが受けられる、新入社員が安心できる職場環境を目指してください。
オンボーディングの導入と人材派遣の活用
オンボーディングは、一般的な新入社員の研修とは違い長期間で行う取り組み。
社内全体、社員一人一人に時間を作る必要があります。
時間の余裕を作るためには、各部署で定型業務を外注する方法がおすすめです。
業務委託のほか、派遣社員の手配もいいかもしれません。
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