グッジョブコラム 2023.12.05

派遣社員の休業手当と休業補償|計算方法・条件を詳しく解説!

派遣先企業の都合で休業したとき、派遣社員が事故やケガで休むとき、人材派遣ではどのような対応になるのでしょうか。
実は、派遣社員にも休業手当と休業補償があります。
本記事では休業手当と休業補償の違い、またそれぞれの支給条件・計算方法を解説しますので参考にしてください。

休業手当と休業補償の違い

休業手当と休業補償は、両方に「休業」が付くために混同しがちです。
また、休業手当と休業補償の両制度は、どちらも法で義務付けられており対応を間違えると罰則を受ける可能性があります。
では、休業手当と休業補償の違いを比較してみましょう。

休業手当

休業手当とは、会社の都合で休業する場合に、従業員に支払われる手当のことです。

休業補償

休業補償とは、労災に関する制度のこと。業務中に起きたケガ・病気などにより休業を余儀なくされたケースで、労災保険から給付されます。

休業手当と休業補償の比較

休業手当と休業補償の比較をまとめました。
詳細は後述します。

派遣の休業手当について

派遣社員の休業手当は、派遣先企業都合による休業でも、派遣社員と雇用契約を結ぶ派遣元企業が支払います。

休業手当の支給条件

休業手当の支給条件とされる「派遣先企業の都合」には、次のようなケースがあります。

1. 経営不振を理由に、派遣社員を休ませるケース
2. 材料資材・エネルギーなどの供給が不足し、派遣先が操業できず休業するケース
3. 機械の故障・設備の点検で休業するケース

なお、台風で交通機関が止まる、インフルエンザなどの疾患で出社できない場合は「派遣先企業の都合」とは判断されず、休業手当の支給対象になりません。

休業手当の支給期間

休業手当の支給期間は、派遣社員が休業・自宅待機した期間すべてが対象となります。

休業手当の支給手順

派遣社員に対する休業手当は、労働基準法の定めにより派遣元企業に支払い義務があります。また休業手当は、一般的に給料日に支給されます。
休業手当の支給に申請書類は必要ありませんが、次の点を確認しておいてください。

● 派遣先企業に休業の理由を聞く
● 労働契約書の「派遣社員の休業に対する補償内容」を確かめる

休業手当|支給額の計算方法

休業手当の支給額は、次の式で計算します。

【平均賃金×1日あたりの最低休業手当額(60%)×休業日数】
平均賃金(給付基礎日額)
平均賃金(給付基礎日額)とは、休業直前3カ月間の賃金総額を暦日数で割った金額のこと。
1日あたりの最低休業手当額
「1日あたりの最低休業手当額」とは、先述した平均賃金の60%。

派遣の休業補償について

派遣社員に対する休業補償は、派遣元企業の労働災害保険が適用されます。
派遣社員の就労中に事故やケガが発生したときは、派遣先企業から派遣元企業へ速やかに連絡しなければなりません。

休業補償の支給条件

派遣社員にも労働保険の加入が義務付けられています。
休業補償を受けられる条件をまとめましたので、参考にしてください。

休業補償の支給期間

休業補償の支給対象期間は、休業初日から4日目を起算日とし、休業終了日までを数えます。休業開始から3日間は待機期間とされ、休業補償の支払いはありません。

休業補償の支給手順

休業補償は労働災害などで休業し、収入がなくなった人に支給される労災保険です。
ここでは休業補償支給までの流れをまとめました。

1. 事故やケガが起きた時点で、派遣先企業から派遣元企業へ連絡
2. 派遣元企業名で休業補償給付支給申請書を作成
3. 賃金台帳・出勤簿の写しなど添付する書類の準備
4. 派遣元企業もしくは派遣社員が、労働基準監督署へ休業補償給付支給申請書を提出

休業補償|支給額の計算方法

休業補償の支給額は、次の式で計算します。

【平均賃金×1日あたりの休業補償額(80%)×休業日数】
平均賃金(給付基礎日額)
平均賃金(給付基礎日額)とは、休業直前3カ月間の賃金総額を暦日数で割った金額のこと。
1日あたりの休業補償額
「1日あたりの休業補償額」とは、先述した平均賃金の80%。
(保険給付金の60%+特別支給金の20%)

派遣社員の休業は派遣元企業と派遣先企業で共有するもの

派遣社員の休業手当や休業補償を支払うのは派遣元企業です。
しかし、休業に関する手当・補償を派遣先企業の負担とし、派遣契約を結ぶ場合もあります(派遣社員の事故・けがを含めた休業の多くが、派遣先企業に起因すると分かっている場合など)。
そのため休業手当・休業補償が発生しそうなときは、念のため当該派遣社員について、どのような派遣契約を締結しているか、よく確認するようにしてください。

また派遣元企業と派遣先企業は、派遣社員の雇用条件情報を共有する必要があり、管理台帳の作成義務もあります。
派遣先企業では、万一のトラブルや苦情、事故、けがなどがあったとき、迅速に対処できるよう人材派遣情報をシステム化しておけるといいでしょう。
弊社の人材派遣管理システム「グッジョブ」では、勤怠管理から契約書のやり取りだけでなく、派遣の抵触日を通知する機能も備えています。
ぜひグッジョブで、効率的な人材管理をご検討ください。

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