グッジョブコラム 2023.11.21

【労働基準法】派遣元企業・派遣先企業が結ぶ契約について解説

人材派遣は、労働力を受け入れる派遣先企業が、労働力を提供する派遣元企業へ料金を支払う仕組みです。
そのため人材派遣では、一般と異なる雇用形態で契約を交わさなければなりません。
派遣先企業さまが必要な時に人材を確保しやすいよう、ここでは人材派遣サービスを利用する際に知っておきたい派遣契約について解説します。

派遣元企業・派遣先企業間の契約を振り返る

先にお伝えした通り、人材派遣でははじめに派遣元企業と派遣先企業が契約します。

派遣元企業と派遣先企業の契約

人材を派遣する派遣元企業と、派遣社員を受け入れる派遣先企業の間では、以下2種類の契約が交わされます。

  • 労働者派遣基本契約
  • 労働者派遣契約(個別契約)

なお手順としては、労働者派遣基本契約を締結してから労働者派遣個別契約を締結します。

労働者派遣基本契約

「労働者派遣基本契約」は、派遣労働者のすべてに共通する条件などを取りまとめた、派遣元企業と派遣先企業で締結する基本的な契約です。

◼︎労働者派遣基本契約に記載される事項

  • 労働者派遣法、その他諸法令の順守
  • 派遣料金について(料金の設定方法・計算方法・支払い方法など)
  • 個別契約にて別途労働者派遣契約を締結すること
  • 雇用安定措置について
  • 派遣元責任者・派遣先責任者について
  • 指揮命令者について
  • 安全衛生に関して(協力・配慮)
  • 苦情処理に関して
  • 契約の解除・個人情報保護・損害賠償・機密保持など

労働者派遣契約書の保管期間はいつまで?必要書類・記載事項も紹介

労働者派遣契約(個別契約)

「労働者派遣個別契約」は、労働者派遣法で義務付けられた、派遣社員一人ひとり個別に締結を結ぶ契約です。
派遣先を変更する度に、新たな契約が必要となります。

◼︎労働者派遣個別契約に必要な記載内容の例

  • 派遣社員が就業・従事する業務の内容
  • 派遣社員が就業する事業所の名称・所在地ならびに組織単位
  • 派遣社員の派遣期間および派遣就業をする日
  • 就業の開始時間および就業・休憩時間
  • 派遣就業の時間を延長できる日および時間数
  • 派遣先責任者・指揮命令者・苦情処理の担当者について
  • 派遣社員が従事する業務に伴う責任の程度
  • 派遣料金について

人材派遣の基本契約書・個別契約書の書式・テンプレートについて

補足:派遣元企業と派遣社員の雇用契約

派遣社員と雇用契約を結ぶのは、派遣元企業です。
雇用契約には「有期契約」と「無期契約」の2種類があり、派遣社員が派遣先企業で就業できる期間が異なります。

有期雇用派遣
有期雇用派遣では、派遣期間に制限があります。
同一事業所同一部署では最大3年の期間制限が設けられる、いわゆる3年ルールが適用されます。

派遣法の3年ルールをわかりやすく解説|派遣社員が延長して働くには

無期雇用派遣
無期雇用派遣は、派遣元企業と派遣社員が雇用期限を設けない雇用形態を指します。
この無期雇用派遣は、労働者派遣法で定められた3年ルール(雇用期間制限)の対象外で、長期雇用が可能となります。

派遣の受け入れ前に確認しておきたいポイント

派遣先企業は派遣社員を受け入れる準備として、労働者派遣法や派遣期間制限を確認しましょう。

派遣期間の制限を理解する

人材派遣業界では、労働者派遣法改正により「3年ルール」が制定され、派遣社員の就労期間は原則3年までとなりました。
派遣期間の制限は「派遣の抵触日」として、誤解やトラブルのないよう書面通知が義務付けられています。

また、以下のような場合は期間制限(3年ルール)の対象外となります。

  • 派遣元企業と無期雇用契約を結んだ派遣社員
  • 60歳以上の派遣社員(シニア派遣)

最新の労働者派遣法を確認する

労働者派遣法は、1986年の施行から現在まで幾度も改正されています。
人事担当者は常に最新の労働者派遣法に素早く対応しなければなりません。
今後注目したい労働者派遣法改正についての記事も併せてご覧ください。

2023年版|労働者派遣法改正と今後注目したい3つのポイント

正社員の募集情報を提供する義務がある(無期雇用派遣)

労働者派遣法の改正で、派遣労働者の正社員化推進・雇用安定措置として、「正社員の募集情報」を提供することが定められました。
正社員の募集を行う場合は、対象になる派遣社員に対し募集情報を提供しなければなりません。
この正社員の募集は、派遣先企業の同一事業所で1年以上雇用されている派遣社員が該当します。
募集情報の提供方法は、メールでの送付・求人票の貼り出し・派遣元企業からの情報提供などとなります。

派遣元企業・派遣社員が無期雇用派遣を望むか確認する

派遣社員が抵触日を迎えたとき、本人が希望すれば有期雇用から無期雇用に契約を変更できます。
3年ルールのほか、派遣元企業との雇用契約が5年を過ぎたケースなどが無期雇用契約に切り替えるタイミングです。
ただし、雇用形態の切り替え可否は派遣元企業の方針にもよるため、無期雇用契約を実施しているか、無期雇用契約にする条件があるか確認する必要があるでしょう。

有期雇用から無期雇用へ|派遣契約の無期転換にメリットは?正社員との違いは?

法改正に対応し派遣人材を契約・管理するなら情報のシステム化がオススメ

派遣社員には就労期間の制限がありますが、人材派遣は働き手が不足する企業にとっても、すぐに仕事を見つけたい労働者にとっても、魅力的なサービスです。
一方、期間の定めがある派遣労働者と派遣企業の関係性は希薄になりがちで、派遣社員の待遇が軽視されることがあります。
そんな派遣労働者の待遇を守るべく、厚生労働省は労働者派遣法を頻繁に改正しているわけですが、多くの派遣人材を受け入れる企業ほど、法改正への対応に苦慮するでしょう。
弊社の人材派遣管理サービス「グッジョブ」では、派遣企業間での情報交換、契約書の作成や発行・通知といったシステム化が可能なだけでなく、法改正にも素早く対応できます。
人材派遣の管理は、弊社グッジョブにお任せください!

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